クレジットカードの海外旅行保険を解説。利用付帯の適用条件とは?複数の保険は合算できる?

旅行中の怪我や病気に備えられる旅行傷害保険。

クレジットカード付帯の保険があれば、旅行の度に保険に加入しなくても補償が受けられるので便利ですが、補償内容や適用条件がカードによって異なる点に注意が必要です。

ただクレジットカードを持っているだけでいいと言うわけではありません。

自分のもっているクレジットカードの保険内容は旅行前に見直しておきましょう◎

クレジットカードの旅行傷害保険で補償される内容

一般的に9種類あります。

  1. 傷害死亡・後遺傷害
  2. 傷害治療費用
  3. 疾病治療費用
  4. 賠償責任
  5. 携行品損害
  6. 救援者費用
  7. 航空機遅延費用等(寄託手荷物遅延・紛失)
  8. 乗継遅延費用
  9. 出発遅延・欠航・搭乗不能費用

補償内容はクレジットカードによって異なります。

例として、セゾンプラチナ・ビジネス・アメックス・カードの補償内容を掲載します。

海外旅行傷害保険
死亡後遺障害1億円
傷害治療300万円
疾病治療300万円
携行品損害50万円
賠償責任5,000万円
救援者費用300万円
航空機遅延保険10万円
国内旅行傷害保険
死亡後遺障害5,000万円(自動付帯:5,000万円)
入院5,000万円(自動付帯:5,000万円)
通院3,000万円(自動付帯:3,000万円)
手術保険金
航空機遅延保険

一般的にクレジットカードのグレードによって補償内容も手厚くなります。

自動付帯と利用付帯。補償対象になる要件を確認

クレジットカード付帯の保険には2種類あります。

  1. 自動付帯保険
  2. 利用付帯保険

自動付帯保険は、クレジットカードを所持していると自動的についてくる保険です。

利用付帯保険は、カード会社が指定した適用条件を満たした場合に利用できる保険です。

改悪によって自動付帯保険だったものが利用付帯保険になることもあるので、旅行前には最新情報をチェックしておきましょう。

例として、最大1億円の旅行傷害保険(利用付帯)がついているセゾンプラチナビジネスアメックスの適用条件を一部抜粋して紹介します。

日本出国前に、補償対象となる本会員が、この旅行で自身が乗客として利用する航空機などの「公共交通乗用具」の料金や、参加する「募集型企画旅行」の料金をこのカードでお支払いになった場合、それ以降の旅行期間で保険が適用されます。
また、日本国内で前述のカード決済がなくても、日本出国後、補償対象となる本会員が、この旅行で自身が乗客として利用する航空機などの「公共交通乗用具」(それに準ずる海外の公共交通機関を含む)の料金をこのカードでお支払いになった場合、その料金を初めて決済した時から上記旅行期間終了までの間保険が適用されます。(引用:セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス®・カード海外旅行傷害保険・国内旅行傷害保険・ショッピング安心保険のご案内(補償規定)

保険適用の対象となるカード決済例 保険適用の対象外となるカード決済例
  1. パッケージツアー
  2. 航空券 
  3. 新幹線 
  4. リムジンバス 
  1. レンタカー
  2. ホテル宿泊代
  3. 回数券購入費
  4. 空港使用料

つまり旅行の道中電車の運賃や飛行機のチケット、ツアー代金をクレジットカードで支払ったら保険が適用されますよ、ということです。

例えば飛行機のチケットをマイルで購入していて、自宅から空港まで車で行く場合はクレジットカードの保険は適用されません。

家族旅行をする方は家族特約付きのクレジットカードが安心

クレジットカードに付帯する旅行保険にはカード会員のみが補償対象となるものと、家族も補償対象になるものがあります。

例えば、セゾンプラチナ・ビジネス・アメックス・カードの旅行保険は家族特約が付いていませんが、セゾンプラチナ・アメックス・カードには家族特約が付いています。

家族として認められる範囲もカードによって異なるので注意が必要です。

セゾンプラチナ・アメックス・カードの場合、家族の範囲は「本会員の配偶者、本会員またはその配偶者と生計をともにする同居の親族、本会員またはその配偶者と生計をともにする別居の未婚のお子様」と決まっています。

クレジットカード付帯の旅行傷害保険を利用する方法

  • カード会社の保険デスクに連絡する

セゾンカードの場合、付帯保険の案内ページから補償内容と連絡先が確認できるようになっています。

付帯保険のご案内|公式サイト

海外旅行傷害保険に加入していないとどうなる?

例えば日本国内で風邪で病院にかかり3,000円程度だった場合、海外で同じ状況で病院にいくと1万円かかります。

一般的な受診だけであれば数万円とギリギリ払えますが、盲腸など手術が必要になった場合は悲惨です。

ニューヨークの医療費(参考:外務省 世界の医療事情
一般の初診料 150ドル~300ドル(約2~4万円)
専門医を受診 200ドル~500ドル(約3万~6万円)
上腕骨骨折で入院手術(1日入院) 1万5千ドル(約169万円)
貧血による入院(2日入院、保存療法施行) 2万ドル(約225万円)
急性虫垂炎で入院し手術後腹膜炎を併発したケース(8日入院) 2万ドル(約240万円)
自然気胸のドレナージ処置(6日入院、手術無し) 8万ドル(約902万円)

病気は自分でコントロールできるものではないので、事前の対策が必要なんです。

注意点

クレジットカードを複数持っている場合、各保険から全ての保険金額が支払われるわけではない

例えば死亡後遺障害保険は、持っているクレジットカードの補償の内、最も高い保険金額が上限になります。

  • Aカード:保険金額5,000万円
  • Bカード:保険金額3,000万円
  • Cカード:保険金額2,000万円

この場合、一番高額なAカードの保険金額5,000万円が支払われる限度額になります。

支払われる保険金額は按分され、Aカードが2,500万円(50%)、Bカードが1,500万円(25%)、Cカードが1,000万円(25%)となり、合計で5,000万円支払われる、といった形です。

一方、疾病治療費用は複数枚のクレジットカードの保険金額を合算した範囲内で、実際の損害額を上限としてそれぞれの保険から按分して保険金が支払われます。

  • Aカード:保険金額300万円
  • Bカード:保険金額100万円
  • Cカード:保険金額100万円

この場合、実際にかかった費用が200万円であれば支払われる保険金は200万円になります。合算した500万円にはなりません。

カード会社ごとにルールが異なるので、必ずクレジットカード会社に確認をしてください。

旅行保険つきカードの複数枚持ちはおすすめできない

旅行保険つきカードの複数枚持ちは、英語が話せず海外の病院でうまく説明できない海外旅行初心者が真似すると失敗します。

旅行保険つきカードの複数枚持ちより、1枚の旅行保険つきカードと保険会社の旅行保険の組み合わせの方が安心の点ではオススメです。

保険会社の海外旅行保険は最近安くなっていて、ハワイであれば疾病1,000万円の保険が2人分3日間で約2,500円、1人あたり1,250円です。

いろんなクレジットカードをユーザーに作らせることで複数のカード会社から広告費をもらいたいクレカ紹介サイトが複数枚持ちを紹介しています。

利用付帯の旅行保険を適用させるために架空の決済をするのは無意味

以前SNSで話題になったツイート、みなさんは見ましたか?

実際に乗車しない電車の運賃をクレジットカードで支払って、海外旅行傷害保険を適用させることはできるのか?気になりますよね。

結論からいうと
  • 実際に保険を使う事態になった時に不利になるからやめた方がいい

実際にカード会社のフィナンシャルデスクに問い合わせたので間違いないです。

クレジットカードの旅行傷害保険は架空の決済でも適用できるのかフィナンシャルデスクに聞いてきた内容を詳しく知りたい方はこちら

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